奈良県議会議員 山下 力
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山下 力の日記
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2009年01月22日
バラク・オバマ大統領の就任演説

 ワシントンの連邦議会議事堂前で挙行された大統領就任式で、宣誓を終え、日本時間の1月21日午前1時30分ごろから凡そ20分間、バラク・オバマ新大統領が就任演説をおこなった。集まった約200万人の民衆と世界が固唾をのんでその演説を聴いていたに違いないと思う。眠気と格闘しながら私もがんばった。
 一言でいって、人々の期待を裏切らない良い演説であったと私は評価したい。確かに、演説上手の”名文句“でわれわれを「まいった」とうならせる箇所はなかったし、「Yes,we can!」とわれわれを煽る場面もまったくなかった。今回のオバマ氏の演説は「歴代の名演説集」の中に名を残さないかも。しかし、オバマ大統領の今次の就任演説は、彼が政治家として一級の資質を備えていること、またいやおうなしに世界をリードする立場にあるアメリカ合衆国の大統領として、アメリカだけでなく世界の民衆から熱い期待が寄せられるにふさわしい識見を有する人物であることを私に強く印象づけるものであった。
 オバマ大統領の現況に対する危機意識は、的を得ている。・・・家が失われ、雇用は減らされ、企業はつぶれた。医療費は高すぎ、学校は、あまりに多くの人の期待を裏切っている。私たちのエネルギーの使用方法が敵を強大にし、地球を脅かしていることが、日に日に明らかになっている。それらは一部の者の強欲と無責任の結果だが、私たち全体として、困難な選択を行って新しい時代に備えることができなかった結果でもあると指摘しているのだ。
 また、経済再生の方向も明確である。・・・商業の糧となり、人々を結びつけるように、道路や橋、配電網やデジタル回線を築く。科学を本来の姿に再建し、技術の驚異的な力を使って、医療の質を高め、コストをさげる。そして、太陽や風、大地のエネルギーを利用し、車や工場の稼動に用いる。新しい時代の要請に応えるように学校や大学を変革する等々。
 そのまま、今日の日本の経済運営の転換に求められている施策を先取りしているから驚きである。さらに新自由主義経済にも触れている。・・・市場が良い力なのか、悪い力なのかも、問われていることではない。富を生み出し、自由を広めるという市場の力は比類なきものだ。しかし、今回の経済危機は、市場は注意深く見ていないと、制御不能になるおそれがあることを、私たちに思い起こさせた。また、富者を引き立てるだけでは、国は長く繁栄できない、ということも。・・・わが国の首相はどう聞いていたのかな。
国際関係についても一本筋金が貫かれている。・・・自らの力は慎重に使うことで増大し、自らの安全は、大義の正しさ、模範を示す力、謙虚さと自制心から生まれるものであるとしてきた先人の遺訓を継承する。私たちは、責任ある形でイラクをその国民の手に委ねる過程を開始し、アフガニスタンの平和構築を始める。また、古くからの友好国とかつての敵対国とともに、核の脅威を減らし、地球温暖化の恐れをまき戻す不断の努力を行う。とりわけイスラム世界に対して、共通の利益と相互の尊敬に基づき、新たな道を模索するとして、こう呼びかけた。国民は、破壊するものではなく、築き上げるもので国の指導者を判断することを知るべきでは、と。

 最後に、新しい“責任の時代”を喜んで引き受ける自信の源について述べて演説を結んだ。・・・これが、私たちの自由と信念の意味だ。なぜ、あらゆる人種と信仰の、男性と女性、こどもがこの広大な広場に集い、共に祝えるのか。そしてなぜ、60年足らず前だったら地元のレストランで食事をさせてもらえなかったかもしれない父を持つ男が、大統領就任の神聖な宣誓のためにあなたたちの前に立つことができるのか、ということだ。・・
アメリカの社会には、今日も、陰に陽に厳然として「黒人」に対する差別は存在している。杳として、それが廃絶されるきざしはない。しかし、バラク・フセイン・オバマ氏とアメリカ人は差別の壁を乗り越えた。差別を克服したのだ。その解放感を深く静かにあじわってほしい。そして、その快感ができるだけ長く続くことを祈念する。何事においてもリバウンドは厄介なものであるから。
 


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