奈良県議会議員 山下 力
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山下 力 の 活動レポート
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知事選をめぐる柿本知事の不可解な態度のとりかた 2007年03月19日

昨12月1日の県議会開会日における異例の「五選不出馬宣言」から、12月4日の「後継指名」、4月8日県議選と同じ日に投票日を設定した知事選の日程工作に至る柿本知事の不可解な態度のとり方についておたずねします。
 知事は記者会見で、多選批判については「一つの要素であるが、主な理由ではない」とのべ、春ごろから「潮時」「変わり目」と感じてきたなどと曖昧なやりとりで終始して結局のところ「不出馬」の真意を明らかにされなかったと思っています。また、12月議会開会日程の終了後に私ども県議に配布された「表明要旨」の中でも、「やまと21世紀ビジョン」、平城遷都1300年記念事業や新たな観光戦略等を新しいステージと位置づけ、この際、意欲と能力の豊かな人物に県政のバトンを託すのがより良い選択だと考えました、と書いてあるのでありますがピンときません。
 いま、なぜ任期を一年も残して辞任しなければならないのか、というおおかたの県民の疑念に知事は答えていないと私は思っています。あなたの手で、現に新年度予算は組まれて県議会に提案されているのであります。あなたが新しいステージと位置づけている諸事業の予算も盛り込まれていますし、例年通りほとんどこのまま県議会で可決・成立するに違いありません。行政で予算付けするということは具体の事業の方向付けをすることであります。柿本知事。あなたは「今後の新しいステージについては新しい人の采配に期待する」ときれいごとを述べながら、実は新しい人・新しい知事の手足を新年度予算で縛っていることにお気づきでないのでしょうか。「知事離職後も、引き続きこの記念事業協会の一メンバーとして専念、協力していきたい」というあなたのこの平城遷都1300年記念事業にこめる思いを素直に額面どおりに受け止めている県民はそれほど多くはないでしょう。未練たらしいという声も少なくありません。あえて「後継指名」された自民党参議院議員・荒井正悟さんとはそのへんの約束はできているのでしょうか。柿本知事。あなたのことここにいたる一連の不可解な態度のとり方は、「後継指名」も含めて、知事の多選批判で指摘されてきたところの「独りよがり」「傲慢」と言うしか言いようがありません。もしあなたがこの批判を潔しとされないのなら、あなたが責任者として組んだ新予算を11月末までの任期一杯、粛々と執行することです。執行責任を果たすことでしか県民の理解は得られないと私は思います。
 また一方で、あなたの「一年残しの辞任、唐突の辞意表明」を、この間の福島・和歌山・宮崎県と連続してきた「知事不祥事」の枠内でみて、心配している県民もすくなくありません。一連の「知事不祥事」の問題点は建設業者との癒着であり、公共事業をめぐる談合がその核心にあります。談合が汚職の入り口だといわれてきましたが談合の摘発は容易なことではなく、困難を極めてきました。「必要悪」だとうそぶく業者もいます。しかしながら、昨年1月から改正独占禁止法の施行が始まるなどなど捜査環境の整備もあって、全国で検察・警察による談合・競争入札妨害の摘発が続けられ11月までで35件に(前年17件)倍増したと報告されています。談合を「税金をかすめとる犯罪」と位置づけ、強い姿勢を示している当局への国民の期待が膨らんでいます。
 こんな折です。県の公共事業を巡って疑惑がないのでしょうか。近々、独立行政法人化が予定されている県立医科大学の病棟の新改築にかかる疑問と不信に触れておきたいと思います。
@、 まず、県立病院の設計が、なぜか、すべて(株)内藤設計事務所であります。第二本館A棟もB棟もC棟もそうです。しかもB・C棟の実施設計等については、総額3億1千万円余の契約が随意契約でありました。その理由は「医大施設全般に精通し病院設計を多く手がけているため」となっています。さすがに世論を気にしたのか、精神医療総合センターの設計は、「指名プロポーザル方式」で5社を指名しましたが、結果として、落札率(99,8%)で内藤設計が落札しています。「医大施設全般に精通している」はずの(株)内藤設計事務所が、なぜに120回にもおよぶ設計変更や外壁の色彩を巡ってのトラブルであったのか、きっちりとした説明がほしいところであります。さらに驚くことに、県立三室病院や県立奈良病院の設計も同じ設計事務所となると、もう開いた口が塞がりません。宮崎県の官製談合は設計業者をめぐってのことではなかったでしょうか。
A、 次に不審を抱かざるを得ないのは、精神医療総合センターの建築工事の入札にかかわるカラクリです。条件付一般競争入札なる発注方式で3〜4者JVの組み合わせで5組のJVが入札に参加しました。当初の入札予定日、H16,11、17の直前の11月5日、5JVに参加していた淺沼組等2業者が他の工事のことで指名停止処分をうけたのです。この2業者が参加していたJVはもともと3者JVでしたので1業者が欠落することで「3〜4者でJVを」という条件を満たせず2JVが辞退せざるを得なくなりました。やむをえないところであります。残る3JVで入札すればすむことなのに、なんと3JVの一つ、村本・森・大倭のJVが入札予定日の前日である11月16日に辞退届けを出しました。2JVだけでは競争入札ができないルールになっているそうです。まことによくできた話ではありませんか。入札のやり直しとなり、浅沼組等の指名停止解除を待っていたかのように、おくれること3ヶ月、H17,2,17に再入札が行われ、指名停止を受けて辞退した浅沼組を代表者とするJVが落札しました。しかもその落札率は97,8%です。当初から談合され、淺沼組のJVに決まっていたから村本組を頭とするJVがあえて11月16日に辞退したのではないでしょうか。素人にもバレバレの談合シナリオでありませんか。談合情報があって県は業者を呼んで調べたといいます。結果は明らかです。「談合したという確証は得られませんでした」ですべて済みです。結果として残ったことは、例の壁の色をめぐる混乱というオマケも付いて県民の待望ひさしかった精神医療センターのオープンが7ヶ月遅れたことだけというお粗末な次第でありました。
B、 三つ目に指摘しておかねばならないのは、B棟・C棟の建設工事、電気設備工事、空調及び給排水設備工事のいずれにおいても落札率が異常に高いことです。B棟における数値はそれぞれ、82億7600万円余(99,4%)、45億6290万円(98,9%)、32億5480万円(99,6%)で、C棟の数値は、67億5150万円(97,8%)、25億9350万円(98,4%)、36億2250万円(98,5%)となっています。因みに、B棟は奥村組が代表者のJV、C棟は大林組が代表者のJVに落札されているのです。関西地区の談合の「仕切り役」といわれてきたのは大林組でなかったでしょうか。確か、和歌山県の不祥事にまつわる談合でも大林組顧問が逮捕されていますし、名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で逮捕されているのも大林組元顧問であり、さらに同人物が名古屋の高速道路工事でも談合を仕切っていた疑いが指摘されているところです。私も「病院の工事費がたかくついてかないません」という県関係者の愚痴を何度か聞いたことがあります。実際のところ、70%台の落札率でも下請け業者の半分以上が黒字をだしているとの最近の調査結果が国交省から出されています。B棟、C棟に当てはめれば約60億円の節減となるところであります。このあまりに見事な高い落札率をどう県民に説明すればよいのか、県会議員として情けない思いがするばかりです。
C、 柿本知事。覚えていただいていますか。四年前の2月議会で私はあなたが代表者である政治資金管理団体への寄付行為の実態について質問しました。あなたの三度目の知事選挙は‘99年(H11)でした。その次の年に、政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金が禁止になりました。選挙の前年、’98年に5万円を超えて、“豊かで「遊」のある奈良県をつくる会”に寄付行為をした企業・団体137社ののうち90%以上が県の公共事業と関係を持っているか、持とうとしているところであること、そして法改正後の’00年には5万円超の寄付行為が激減して、名前を公表する必要のない5万円以下の寄付行為が‘98年と比較して約3倍の6351万円余にふくれあがっていることを指摘しました。あなたは、政治資金規正法に抵触するものではないとあっさり肩透かしをされたと思います。しかし、現行の公職選挙法では、請負契約者等の当事者が選挙に関する寄付行為を禁止しています。その主旨に合わせての政治資金規正法の改正であったのでありますから知事として、たとえ法に抵触しない個人献金という形であったとしても県と請負契約のある業者の役員からの献金は辞退されるべきでは、という私の質問の核心にいまだお答えをいただいていないのであります。
D、 いまここで私が提起している医大付属病院第2本館新築にかかる実施設計の発注はあなたが始めて知事に就任された‘91(H3)年であり、精神医療総合センターの落成は昨年11月です。設計から落成までのすべての工事が高率落札で推移し、いわゆる談合の温床であるかの体をなしてきました。この好ましくない流れをたちきるためにあなたはなにかしようしましたか。手をこまねいてきたといわれてどう反論できますか。着実な財政運営と行政改革で高い評価を受けてきた柿本知事でありますが、こと入札業務の改革と談合体質からの脱却ではいささかの成果もあげられなかったのではないでしょうか。その要因は、あげてあなたが自分自身の政治資金にメスをいれ、建設関係業者等とのしがらみを断ち切る決断をしなかったことに帰すると私はおもっています。
E、 柿本知事。あなたの唐突な辞意表明と一年残しの辞任を、少なからずの県民が一連の「知事不祥事」の流れの中に見ていることにはそれなりの背景のあることを知らねばなりません。民衆の視線を意識しなくなったとき、政治家は堕落し、政治は腐敗すると私は先人から教えられてきました。今後も肝に銘じて生きてゆきたいと思っています。この際です。知事の所感を存分にお聞かせ願いたいと思います。(3月1日、県議会代表質問にて)

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