奈良県議会議員 山下 力
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山下 力 の 活動レポート
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2008年2月定例県議会で一般質問 2008年03月08日

 山下力は、2008年3月7日に奈良県議会で、@ガソリン等に加算されてきた暫定税率廃止。A県食肉流通センターの管理運営について。Bアルコール及び薬物等「依存症」対策について。の3点の一般質問を行いました。
以下、質問内容を掲載いたします。
    
 私の一番目の質問は、道路特定財源を廃止して一般財源に一元化することと、ガソリン等に加算されてきた暫定税率を廃止することについてであります。
 道路特定財源制度は道路建設が特に急務であった1954年に創設され、これまで54年間続いてきたものであります。しかし今日では教育や医療など道路と同様に国民的ニーズの高い課題が山積しているのでありますが、これらは一般財源の中から優先度を議論しその配分が決められています。もはや、道路財源だけを「特定財源」として特別扱いしなければならない理由は全く見当たりません。この「特定財源」が国交省の既得権として聖域化され、道路官僚と道路族議員の巨大利権や税金の無駄使いの温床となってきました。この際、これが「特定財源」を廃止して一般財源に一元化することから、古い政治のシンボルであった道路政策をみなおし、望ましい国のかたちと資源配分を実現していく道すじを見出したいものです。また、1974年の第一次オイルショック時に、価格の引き上げでガソリン消費を抑制し、増加した税収で経済対策(公共事業)を行うことを目的に暫定税率が導入されました。それが30年以上も続いていること自体が異常であります。ガソリンや軽油価格が高騰し、個人消費や景気全般にも悪影響が及んでいることを踏まえれば、最大2.6兆円の負担軽減となる暫定税率廃止の効果は大きいものであります。
 ところで、知事を先頭に県が走り回っての「道路特定財源を維持しよう」との世論作りは一体どうしたことなのでしょうか。半世紀以上もの間、継続されてきた道路特定財源制度の下でわが県はどんな恩典を受けてきたというのでしょうか。現に、全道路改良率44.7%は全国第43位、一般国道改良率69.5%は全国第46位であります。国の道路政策に追随して、結果としてわが県に残っているものは凡そ 一兆円に及ぶ借金の山ではないでしょうか。まず一つ目にお尋ねしたいことは、そんなに熱心に道路特定財源の維持のとりくみをして県はなにを得たいというのですか。
 二つ目にお尋ねしたいことは、県の財政状況からみて、果たして今後の道路建設等事業で‘06年度実績を上まわって実施することができるのでしょうか。            
いまから10年まえの‘98年度が、近年で最多の道路事業を実施した年です。その事業費の1、168億円と一昨年、‘06年度の事業量・737億円を比較してみます。県費負担30%の直轄事業が398億円から309億円に減り、県費負担100%の県単独事業は385億円から107億円に、また県費負担50%の補助事業は296億円から174億円に激減しました。臨時交付金対象事業だけが89億円から147億円に増えただけであります。ちなみに、‘98年度の事業費1、168億円に要した県費負担率は約60%、‘06年度分737億円にかかる県費負担率は約50%でありました。公債費の平準化がやっと目標に近づいたというのに負担率の高い道路建設を推進することがよい政策とは思いません。
 三つ目は、民主党が示しています道路政策大綱に照らして県の‘06年度の道路等事業を検証して、土木部長の所見をお伺いしておきたいと思います。
まず、わが党が主張しているように国の直轄事業における地方負担金を廃止すれば、‘06年度分の直轄事業に要した県負担金81億円が不要になります。次に、わが党は法律を改正して、揮発油税収からの配分を4分の1から2分の1に引き上げることによって臨時交付金の従前額を確保するとしていることから、‘06年度の交付金対象事業に照応する事業量は確保できます。‘06年度の直轄分を除いた道路等事業費は428億円でうち国の負担は152億円余でありましたから制度が変わっても県の道路政策にほとんど影響はありません。諸物価高騰の折です。ガソリン価格が25円安くなって県民に還元される利益を抑制してまで守らなければならない道路特定財源や暫定税率とは、一体だれのためのものなんでしょうか。
二番目の質問は、県食肉流通センターの管理・運営の問題についてであります。
 開設から17年が経過しました当センターは、県内唯一の食肉流通拠点として、県民に対する安全・安心な食肉の供給等に一定の役割を果たしてきたと思います。しかし、当センターの管理・運営をめぐっては県議会でもしばしばとりあげられ、とりわけ「解体・冷蔵保管業務」と「市場業務」を担っている卸売会社・奈良食肉(株)への補助金交付のあり方等で県の弁明は議員の納得を得られるものにはなっていません。昨年3月の県議会予算委員会での論議のなかでまとめとして確認されたのが、外部の有識者による「県食肉流通センター経営改革等検討委員会」のたちあげでした。過日、その「提言」が明らかにされたところであります。
 「提言」は、「現状と問題点」に鋭いメスをいれています。一日当たり大動物50頭、小動物170頭という当施設の処理能力に対する現状の処理頭数の割合は、牛26.5%、豚12.1%と極めて少ないこと。開設後17年が経過して、施設の老朽化が進んで、食肉の安全・安心のためにも設備更新も課題になっていること。‘91年(H3)以降の牛肉輸入自由化の影響が大きく、全国の「市場」経由率は牛肉で17.3%(9.4%)、豚肉で9.0%(1.1%)に落ち込んでいること。卸売会社の経営改善は遅々として進まず、県は今年度も約2億7、200万円の運営費補助をいれざるを得なかったこと。卸売会社が累積債務を抱え、後者に対する施設使用料の一部を滞納していること。等々は核心を突いた指摘であります。
 そこで農林部長にお尋ねします。「提言」は「県の畜産振興及びセンターの存在意義等」にも触れています。大和牛やヤマトポークのブランド化等で生産農家に意欲をもたせ、食の安全・安心の確保や地産地消の推進などの観点から、センターが果たしている役割は一定の公益性がある、といいながらも全体的には消極的との印象を持つのですが、部長の所見を伺っておきたいと思います。
 次にお尋ねするのは、奈良食肉(株)の抱えているとされる累積債務の経緯についてであります。当センターは後発市場で品揃えが十分でなかったため、県外産肉牛の導入事業を起こし、開設2年目から7年間実施したとされています。その間に、毎年4、000万円前後の補助金を県が交付し、その合計は2億8、660万円というではありませんか。何のための補助金で、かつ、なぜに赤字を生んだのか、明らかにしてください。
 三つ目にお尋ねしたいことは、卸売会社への運営補助金の問題です。「要綱」第4に規定する「別に定める方法」すなわち「卸売会社運営補助金額積算方法」によると、非採算部門の「人件費補助」は、@、と畜解体・冷蔵保管業務専従者分10分の10 A、@の業務と市場業務の兼務者分2分の1となっています。双方ともに「知事が・・・と認めたもの」と記されているだけで、必要最小限の人数すら明記されていません。‘03年度(H15)包括外部監査で「卸売会社運営補助金」についての具体的な指摘と提言があったはずであります。なにが明らかになり、その後どのように改善されたのか説明してください。
 四つ目は、今次の「提言」をどう活かしていこうとしているのか、について聞かせてください。食肉流通センターの問題は、あげて卸売会社・奈良食肉(株)の問題と言い換えても差し支えないのではないでしょうか。会社収入の約77%が県費補助金で占められているこの卸売会社で役員報酬を受け取っている役員が三名もいます。しかも、うち二人の報酬は、1、200万円超と2、000万円超です。卸売会社の自助努力の跡が見受けられません。業務もジリ貧になっています。これだけの手厚い補助を受けながら、公社におさめるべき施設使用料を滞納しているなど、話にもなりません。県の厳しい財政状況をふまえて、これからも食肉流通センターに4億円以上もの補助金をつぎ込んで運営を続けていくためには奈良食肉(株)との業務委託を解消することもふくめて、抜本的な再検討が必要ではないでしょうか。県民に説明責任を果たしてください。

三番目の質問は、アルコール及び薬物等「依存症」対策についてであります。
 昨年十一月、女優・三田佳子さんの次男・高橋祐也容疑者が覚せい剤取締法違反の現行犯で逮捕され、マスコミが大きくとりあげて話題になっていました。彼が同容疑で逮捕されるのは三度目であります。二度目の逮捕後、懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受け、劇作家・唐十郎さんが引き受け手になって俳優の道を志しているというテレビ番組を私も見たおぼえがあります。しかし、この時点で、同容疑者の再逮捕を予告していたダルク関係者がいました。自身も薬物依存者であった経験から、「成人の上、再犯者としての刑が軽い。いくら親切な知人が引き受け手になっても、完治できないのが薬物依存症の怖さ。再逮捕は時間の問題」と指摘していたとのことです。ダルクの関係者はこうも言っています。
“三田佳子さん。お気の毒だが、いまさら「私たちの養育方法が間違っていた」と愚痴を言っても結果はでません。「あの子は、刑罰を受けて当然」であっても、刑務所は医療機関ではありません。出所後はまた「同じことの繰り返し」が必至でしょう。従前入院していた精神病院の対処方法を再検討し、ダルク等の専門施設での社会復帰を模索すべきです。”
‘05年9月22日に「奈良ダルク」を立ち上げた矢澤祐史さんはこんなメッセージを発信しています。“薬物依存症は回復できる病気です。なぜなら僕はダルクとの出会いから、回復を手にすることができたからです。WHO(世界保健機関)の定義に「薬物依存は病気であり、同じ依存症からの回復者からの支援が有効である」という見地があります。薬物依存は他の「病気」と同じく「意思」の力ではどうにもできません。自分の力では止めることがでないのです。ダルクを運営してきた先人たち、当時のダルクを支えた顔も名前も知らない方たちの温かな手によって、僕はもう一度命を授かりました。回復者に出会い、希望と可能性を知りました。自分の人生にはなかったはずの恩恵です。この恩恵を次の人たちにわたしていきたいのです。僕にあったチャンスを、どうか皆が手にできますように。”
 薬物「依存症」もアルコール「依存症」も同じことです。意志の力が弱いから、薬や酒でトラブルを起こすわけではありません。道徳心が欠けているからでも、自制心が効かないからでもありません。単に、「依存症」は病気なのです。しかも、進行性で死に至る病気でもあります。そして「依存症」は、ダルクの矢澤さんが確信を持って断言されているように回復できる病気です。にもかかわらず、「依存症」に対する県民の意識を問うまえに、行政関係者の見識を疑わなければならないのは実に情けないことといわねばなりません。健康安全局長に四点の質問をします。
 一つ目は、‘99年に国は「薬物使用についての全国住民調査」を実施し、15歳以上で約234万人の生涯経験者がいるのではとの推定数を明らかにしています。県は、アルコール及び薬物「依存症」者の数を調査したことがありますか。あれば明らかにしてください。
 二つ目は、県下の保健所が実施してきた「依存症」者向けの相談件数および家族教室等の開催件数(過去5ヶ年)を明らかにしてください。
 三つ目は、かつて、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律・第五十条に該当する社会復帰施設、第五十三条の地域生活援助事業がありました。しかし、その法律が‘06年(H18)4月に、障害者自立支援法に移行して以来果たして、「依存症」からの回復をめざす施設が新法に基づくところのいかなる福祉サービスを利用できることになっているのですか。また、対象事業を実施するにはどんな要件を整えなければならないのですか。
 四つ目は、“「依存症」は回復する病気である”という原点を確認するための啓蒙・啓発についてであります。まずは県及び市町村の行政幹部が問題です。県が率先して断酒会やダルクの人たちと協働して啓蒙・啓発プランを練り上げる必要があるのではないでしょうか。

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